中学生になって最初のよう気が暖かくなってきた頃か
家事担当の女が明日からこれを着て行けという。半袖のYシャツ。
えー、いーよ。何いってんだい、衣替えだよ。
衣替え？何だそれ。みんなこれ来てくんだよ。
おまえだけ長袖でいくのかと笑う別の女の家人もいた。
半信半疑だった。
翌日、登校する他の中学生を見た。半袖もいる。
学校が近づくとだんだん自信が出てきた。
教室へ入ると半袖が圧勝だった。

生徒の制服というのは伝統でもあり、大人の趣味も入っている。
大人の押し付けに対し、若者はそんなかっこ悪くなけりゃ、まあいいかと着るし
悪趣味は断じて拒否するだろう。
女子のスカートはバッサリ短くなった。
伝統の国イギリスでは男たちが圧政に立ち向かうように
女子のスカートをひざ上まで切った。
最初にミニスカートが闊歩したのはパリではなくロンドンである。

ギターをぶら下げた男というのはかっこいいとされる。
世界中の若者が真似したこのスタイルを最初にやっていたのは
資金乏しいアメリカの青年実業家だったという記録がある。