「２０秒後に衝突。衝撃に備えろ」
クレイン艦長の声がセクションのスピーカーから流れた。
夕食中だった修学旅行中の男女は各テーブルで顔を見合わせた。
上着を被ったり、防衛授業に出られなかった女子を男子が上着の中に入れた。
船体が揺れ乗員、乗客は洗濯物のように右、左に転がされた。
ブリッジでは許容値を超えた電気機器、電線接合部から火花が出ていた。
女子のスカートがめくれ、エロチックでもあった。
揺れが小さくなって、クレイン艦長はマイクで
「本体は無事だ。被害調査部、被害を報告しろ」と言った。
各セクションは倒れかけた資材を元に戻し、床に散らばったもの拾って
元の棚に載せ、復旧をブリッジに報告した。
ブリッジのパネルは防衛施設関連省庁が参照していた。
赤いランプはしだいに緑に変わっていった。
最後に残った交通が緑になり、芸能・娯楽が緑になった。

先月に続く月末ツアー、みんなこれで終わりにしたいという表情だった。
船は今夜中に母港セントｓａｖｅに着く。
搭乗開始時刻にサテライトに入っているためには、未明の５時に出発
しないとならない。

今朝のニュースで春先の事件を見た。予定を変更をした人も少なくないんだろう。
５時に出て羽田まで７時間で行けるか。